漫画「ごっつあんです」平幕が横綱を倒せば年収40万UP！そんな大相撲の面白おかしく真面目な漫画 あらすじネタバレ

評価：85点

相撲の内容を事細かに教えてくれる他にも裏事情などを教えてくれ面白い。

作品概要

 近年は時代劇画で活躍されていた岡村賢二先生の、久々の現代もの。

登場人物

後藤丸次善

本作の主人公で２６歳、前頭九枚目

由奈

後藤丸の彼女。父親が怖い。

「ごっつあんです」のあらすじ　ネタバレなし『起』

前頭九枚目、後藤丸次善、26歳。
今場所は好調で、9勝6敗という上々の成績を収めることができました。
千秋楽で戦った相手力士は人気者だったこともあり、懸賞金ももらえてご機嫌の後藤丸。ですが、後藤丸がご機嫌なのは校長のまま今場所を終えたからだけではなかったのです。

後藤丸は普段なら、千秋楽が終わった後は部屋の若い衆をつれ、つぶれる寸前になるまで飲み明かします。
が、その日はしこたま飲むには飲むのですが、割と早いうちに斬り上げることにしました。
それは、明日に迫った大事な一番のため。
後藤丸は、現在交際中の彼女、由奈とともに「お父さん」に結婚の許可をもらいに行くことになっているのです！！そんなこともあって、盛り上がる後藤丸と若い衆。
すると夜の街の中、ライバル力士の一人である大門寺が大荷物を持って歩いているのを見かけました。聞くところによると、大門寺は24時間やっているスポーツジムに通い、日々の稽古意外でもビルドアップに励んでいるのだとか。
それを聞いた後藤丸、俺たちはてっぽうと四股で充分、相撲の筋肉は土俵じゃなきゃつかないんだ！と冷たい目で見送るのでした。

「ごっつあんです」のあらすじ　ネタバレあり『承』

※ネタバレを含みます

翌日になり、由奈とともにお父さんのもとを訪ねて後藤丸。
高級高層マンションの最上階に住んでいるというお父さんは、由奈によれば「怖い」のだそうです。
親方も相手もおっかない、相撲の世界からすれば「怖いお父さん」なんて何のその、と笑う後藤丸ですが、由奈はお父さんの怖いはそう言う怖いではない、というではありませんか。
そんなことを言われてはさすがの後藤丸も少し怖くなってきました。
緊張のままお父さんの家を訪ねると……お父さんは小柄で、にこやかな笑顔を湛えた好々爺といった風情の男性でした。
ぜんぜん怖くないじゃないか、と一気に緊張がほぐれた後藤丸、リビングに通された後、意を決して娘の由奈さんを渡しにください！と首を垂れてお願いしたのです！！
すると、帰ってきたのは「ダメだ」の一言。
今までの好々爺はどこへやら、鋭い目つきと厳しい口調で結婚を許可できない理由を淡々と述べはじめ、増した！！

力士というのは極めて特異な収入の得方をする職業だ。
君はここ3年ほどずっと平幕にいる。
平幕力士の月給は131万、年収にすれば1572万、それだけ見れば大したものだろう。
だが、幕内力士の平均引退年齢は31歳と言われていて、それまで幕内にいられたとしても収入は7860万にしか過ぎない。サラリーマンの生涯賃金が2億5千万とも言われているのに、7860万円を得たところでその後の生活はどうするんだ。
引退後に親方やTVの相撲解説などをしようと思っても、せめて大関にはなっておかなければいけないだろう。

大関になれば月収235万になり、ようやくマンションでも買って資産運用の計画も立てられようが……
君はそのあたりをどう考えているのかね？
……一気呵成にぶちかまされた後藤丸。
実は後藤丸、そのあたりの相撲界の収入に関してほとんど何も知らない適当な男でした。
そんな男が急にそんな質問を投げかけられても……震える声で、ごっつあんです、と返すことしかできず……お父さんの説得は、完全に失敗に終わるのでした。

「ごっつあんです」のあらすじ　ネタバレあり『転』

傷心の後藤丸は、降りしきる雨の中傘もささずうなだれながら歩いておりました。
部屋の寮暮らしで、収入どころか、税金、保険のことなんかもおかみさんに任せきりだったし、もらった懸賞金やタニマチ（個人に対するスポンサーのような人）からのお小遣いなんかは付け人たちに湯水のようにおごっていた。

大門寺に声をかけられ何かに縋りたくてたまらなかった後藤丸は、大門寺に誘われるまま屋台に入っていったのでした。全てを包み隠さず大門寺に明かした後藤丸。
俺はただ大好きな相撲が毎日取れればいいと思っていたが、人生はそれだけじゃ本当に幸せにはなれないことがわかった。
大好きな由奈ちゃんと一緒になりたい、そのために何としても昇進したい。
女性のためなんて軟弱だ、というものもいるでしょうが……後藤丸のまなざしは真剣そのもの！！
それを見た大門寺は、何も知らない後藤丸にわかりやすい収入アップの方法を教えてくれました。それは、横綱や大関に上がるという最もシンプルなもの以外の、また別のシンプルな方法です。「金星」です。平幕の力士が、横綱を倒した時に得られる金星は、ただの名声を現すためのものではありません。

金星を一つ上げれば、それだけで引退するまで年収が24万円アップするのです！！
しかもその金星で得た収入は、引退するまでどんなに負けまくろうが、減額無し！！
金星を上げれば上げるほど、24万円ずつただただ年収がアップするのです！！
後藤丸は今まで一つも金星を上げたことはありません。
ですが相撲取りになったからには、金星を上げるというのは誰にとっても一つの夢になっているもの。
後藤丸も例外ではなく、金星を上げることを夢見ていたわけで、そこに収入アップが加われば俄然やる気もみなぎるというもの！！そこで大門寺はとどめの一言を言ってくれました。金星ってのは俺たちみんなの夢だ。

「ごっつあんです」のあらすじ　ネタバレあり『結』

だがそれは、弱いものが強いものを倒す夢（ロマン）だけじゃなく、土俵の中の金銀財宝を掘り当てるって夢（ロマン）でもあるのさ！

それから、稽古嫌いだった後藤丸は別人のように変わりました。
収入を上げ、もう一回由奈ちゃんにプロポーズする！！
目の色の変わった後藤丸を見て、親方もアイツが本気を出せば次の場所は楽しみになる、と笑うのです。
そうこうしているうちにやってきた翌場所。
前頭九枚目で9勝した後藤丸は、前頭四枚目に昇進。
この地位は、横綱との対戦も組まれる地位でして……すなわち金星獲得のチャンスもやってくるわけです！！
発表された初日の対戦相手は……まさかの、横綱東翔山！！
いつもの三倍は稽古し、由奈という欲しくてたまらないもう一つの「金星」もいる。
後藤丸はみなぎる闘志をそのまま大翔山をぶつけるのでした！！

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